夜を日に継いで

アタシのちっぽけな泣き笑い、たまに怒り…。

耳がかゆくなると、いいことがあるっていう祖母のお話し。

幼い頃、耳がかゆくなると、

「良かったね~イイことがあるね~」って、いつも祖母は頭を撫でてくれました。

優しく優しく頭をなでながら、

良かった良かったって、ずっと言ってくれるので、

なんだか褒められてる気分になって、嬉しくて、

だから、

大きくなりすぎた今も、耳がかゆくなるのが大好きです。。。

 

祖母の家は、人を呼ぶ玄関というのでしょうか、

日に何人もの茶飲み友達が来ていました。

旅行のお土産のお饅頭や、

手作りの佃煮やお新香、揚げたての熱々の揚げ餅など、

炬燵の上はいつも美味しいものが並べられ、

おとなの話を聞きながら、一緒にお茶をすすったものです。

 

そんな時、アタシはタイミングも計らずに、

褒められるであろう期待を込めて、祖母のお友達の一人に、

「耳がかゆいの」と、言ったことがありました。

 

すると、そのお友達は、

「あっ、左耳がかゆいときはね、風邪ひくんだよ。気をつけなさいね」

 

絶対褒められると思っていたおバカな期待は、

突如、転げだし、あっという間に奈落の底まで行ってしまったような、

お茶もお茶菓子も、いっぺんに灰色になって、

眠くもないのに、畳にゴロゴロしだして、そのうち寝ちゃったみたいで、

目が覚めたら、『8時だヨ!全員集合!』が、始まってた。

というのを、すごく鮮明に覚えています。

 

だから、今だに耳がかゆくなると、

「かゆいのは、両耳ですから!風は引きませんよ~いいこととチャラですから!」

と、意地を張っているアタシです。